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宮司プレス
宮司 柴田宣夫
宮司プレスとは…
月1回発行する季節を交えた話題・
祭典行事のご報告する季刊誌です。
最新号  
一

第百四十七
(一面)

発行 令和元年八月二十七日
◇宮司の柴田です。 八月の八日は、「立秋」でした。 テレビの天気予報等で、よく耳にする表現を使いますと、「暦の上ではすでに秋」なのでありますが、秋の到来が待ち遠しい酷暑の日々でありました。 昔は、三十度を越えると大騒ぎでありましたが、近年は、最高気温は四十度近くにもなります。 テレビでも、「命を守る行動をとってください」となどと言っています。 「熱中症」も、「風土病(ふうどびょう)」といったら大げさかもしれませんが、そのような異常気象なのではないでしょうか。 お待たせいたしました、一月と十日ぶりの宮司プレス第百四十七号の発行です。 ちなみに遅れの累積は、かろうじて免(まぬが)れていますが、減ることもなく、十二ヶ月遅れの発行です。
◇さて、私の子供のころ(五十年近くも前になりますが)は、「夏」といえば、長い夏休み(お盆を過ぎると、超特急のように時間の経過が加速しましたが)、高校野球、終戦の日、セミの声、そして、お盆のお墓参りでした。 ある時期までの多くの日本人には、共通のなつかしい記憶ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 特に、私は、「高校野球」の大ファンでありまして、小学校二年生の頃から、全試合、テレビ観戦をしていましたし、中学二年生の弁論大会では、「高校野球に思う」と題して、意見発表もしたこともあります。 お盆には、母方の実家である大木戸家(おおきどけ)にて過ごすのが、夏の風物詩(ふうぶつし)でありました。 今は亡き、祖母のハツネさんの優しさに包みこまれ、祖父の虎毅(とらき)さん、寡黙(かもく)で頑固(がんこ)なのですが、秘められている祖父の心の温(ぬく)もりに触れながら過ごす、夢のような数日間でした。 大木戸の家を離れる時の寂寞(せきばく)の思いは、今でも忘れることが出来ません。
◇ところで、なぜ、人々は、お盆に、実家に帰りお墓参りをし御先祖様をお偲(しの)びするのでしょうか。 今夏も、故人様の御生前にお世話になった方や御交誼(こうぎ)をたまわった方のお宅を訪問し、御焼香(ごしょうこう)させていただきました。 実は、仏教には、先祖の霊(みたま)も、またそれが帰ってくるというような観念もなく、お盆という習慣もなかったそうです。 人は、死後も霊魂(れいこん)となってこの世にとどまり、家族のもとへ帰ってくるという一種の「祖霊信仰」の影響が大きいのではと考えます。 日本に昔からあったとされる死後の魂(たましい)についての素朴な信仰と、大陸から伝わったと思われる儒教(じゅきょう)的な祖先の魂の観念(かんねん)が融合されて、仏教との習合(しゅうごう)を引き起こしたのではないでしょうか。 民俗学者の柳田國男(やなぎだ くにお)さんは、「死者は生者を守護(しゅご)する、それが先祖という存在の根底にある」と述べられています。
◇一神教(いっしんきょう)では、ゴッドが天地を創造すると教えられますが、日本では万物は自生し、その一つ一つに霊(みたま アニマ)が宿るので、「アニミズム」というのです。 前述(ぜんっじゅつ)したように、わが国では、神道が儒教と融合し、仏教化しました。 ところが、仏教が、それ以上に神道化したと考えられるのが、日本人好みの仏典の言葉が、「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」だということからもおわかりになるのではと思います。 日本では、死者を「仏さん」と呼びますが、他の仏教圏にそのような例は、ないそうです。 ここにも、日本古来の祖霊信仰(それいしんこう)が、垣間(かいま)見れるのです。
◇解剖学者の養老孟司(ようろう たけし)さんは、「人は、亡骸(なきがら)になって死を迎えるのではなく、その人を知っている人が、この世から一人もいなくなった時に初めて、死を迎える」 これが、日本人の死生観(しせいかん)だとおっしゃいました。 私の心に、いまだに、細やかな優しい気遣いをされる祖母のハツネさんや、虎毅さんの憎めない頑固なかたくなな振る舞いに秘められた、ぬくもりは、生き続けています。 まさに、「生きている死者」なのです。
◇西洋人からすると、日本人は、あまり死を恐れず、むしろ時として、身近なある親しみをもっていると思われているようです。 その理由を前述(ぜんじゅつ)の柳田國男さんは、いくつか述べられています。 ひとつは、死んでも魂は身近にとどまって遠くへはいかないと考えられていました。 故郷の山の高みにとどまられて、生かされている者を見守ってくださると考えたのです。 二つめは、生かされている者の住む現世と死者の世界である幽世(かくりよ)の間の行き来が出来ると思われていました。 お盆に、故郷に、お帰りになるわけです。 三つめは、生きていたときの念願が死後に叶うと信じられていたのだそうです。 無念の思いや果たせなかった夢を残されたものが継承する、死者の思いが生き続けていくのです。 まさに「生中死 死中生(せいちゅうし しちゅうせい)」、祈りを捧げ、生かされている者、死者も「浄化(じょうか)」され、やがて、「昇華(しょうか)」されていく、これが、日本人の死生観でもあり、日本人の根源的な宗教観なのではないでしょうか。 お盆は、生者と死者との間の魂の交感(こうかん)であり、親や親族、子供とのつながり、家そのもののつながりを再確認する瞬間でもあります。 前述した一神教では、絶対神から現世での道徳・義務・規範が生れまれました。 しかし、日本における道徳・規範は、先祖崇拝(せんぞすうはい)と無縁ではありません。 失ってはならない麗しい風習であろうと考えます。 大切にしたいものです。 祖母のハツネさんは、いつも、自分より他人の事を一番に考え振る舞われる「利他(りた)」の人でした。 坂村真民さんの詩に、「どんなにいい果実でも熟さなければ食べられない それと同じくどんなに偉い人でも 利他の心がなければ 本物とは言えない」と書かれています。 夏の終わりに、幼い頃のお盆の事を思い出しながら、祖母のハツネさんのような「利他の心」を忘れずに、おつとめせねばと、思いを新たにしています。 御自愛ください。
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ニ

第百四十七
(二面)

発行 令和元年八月二十七日
◇八月の祭典行事会議等活動予定並びに報告
▼月次祭 *八月一日、十五日
▼まほろば学級 *八月四日
▼朝粥会 *八月二十一日
▼中元祭 *八月十一日〜十六日
▼八幡宮関係団体
 ◆維蘇志会八月家族例会 *八月四日
▼山口県神社庁、同下関支部関係
 ◆下関支部幹事会 *八月二日
 ◆下関支部総会 *八月二十七日
 ◆神社庁役員会 *八月二十四日
 ◆神宮大麻年頒布対策委員会 *八月二十四日
 ◆真庭庁長就任祝賀会 *八月三十日
▼神職養成講習会関係
 ◆講義(神社神道概説T)
  *八月四日、五日、十八日、二十日、二十一日
 ◆成績判定会議 *八月二十三日
 ◆謝恩会 *八月二十三日
 ◆閉講奉告祭、閉講式 *八月二十四日
▼下関西ロータリークラブ
 ■例会 *八月七日、二十一日、二十八日
▼その他
 ◆下関木鶏クラブ八月例会 *八月一日
 ◆中央倫理法人会モーニングセミナー *八月八日
 ◆海峡いさなクラブ例会 *八月九日
 ◆初盆のお参り *八月十一日〜十七日
 ◆人権擁護委員 ■人権相談(法務局)
 *八月二十六日
 ◆西山小運営協議会(CS) *八月三十日
 
■これまでの記録
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